みごとな人

 一昨年お兄様、昨年お父様、今年お母様と、3年続いてご親族を亡くされたかたがいる。遠く離れてお暮らしだったとはいえ、産まれたときから一緒だったご家族、一人欠けてしまっても悲しいのに、続けて3人もなくされるお悲しみは、いかばかりかと思う。しかしそのかた、私たち仲間の前でも、決して悲しいなどと言わないし、弱音もはかない。逆に、悲しんでばかりいる仲間を励ましてもいる。わが身の不幸や悲しさを訴えてばかりの人も多いなか、まったくみごとな人だと思った私である。