終末の過ごしかた

 今年4月、脳出血で倒れ、二度の手術と肺炎を乗り越えて回復、右半身麻痺が残るものの、リハビリをされながら、9月から老人ホームに移られたO先生ご夫妻に、昨日お逢いしてきた。
 はじめて下車した「京王永山」駅から、シャトルバスで約20分。

 山を切り拓いて建てたと思われる、3棟からなるホームは、とても瀟洒な建物。 内部はヨーロッパのホテルを思わせる調度が並ぶ豪華さ。各居室には、ご夫婦のお名前、単身のかたのお名前の表札がかけられ、とても静か。談話室や麻雀ルーム、そして「昨日は柚子湯」の大浴場もある。
 前もって行くことをご連絡していたら、これもホテルのようなレストラン、しかも個室での特別昼食をご予約下さっていた。



 居室にキッチンもついているが、このレストランで3食すべて食べられる。食事をはじめとしてすべてカード決済で、ひと月まとめて銀行引き落とし。 内部で現金を使うことはない。
 しかし、坂道の上にあるので、まだ杖を突いて歩いているO先生の外出はままならない。出かけるときは、タクシーを呼ぶしかないそうだ。せめてシャトルバスに乗り降りできるようになられることを祈りながら、おいとまして来た。自分の終末もアタマによぎりながら。。。